版画家 ル・コルビュジエ展
Print works by Le Corbusier
2008年3月10日[月]〜28日[金]
March 10-28, 2008
20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエは、集合住宅や都市計画など、新しい理念の導入により、近代建築の基礎を築きました。細い柱群に箱を乗せたようなサヴォア邸やコンクリートを有機的なフォルムに仕上げたロンシャンの教会堂、あるいはLCシリーズと呼ばれるパイプと革を使った椅子などは、目にする機会も多いでしょう。
ところでル・コルビュジエが建築家である一方で画家として活動していたことはあまり知られていません。彼は、絵画を「感覚器官および精神に歓びを与えるもの」として、絵画等の造形活動に、建築家の余技、あるいは気晴らしのような副次的なものではなく、情熱を持って取り組んできました。機能主義的な合理性を説く一方で、「感動を与える建築」をめざした彼の作品が、どこか人間臭く、ぬくもりが感じられるのは、絵画制作により培われた人間に対する深い洞察があったからではないでしょうか。
本展では、ル・コルビュジエが生涯にわたり制作した版画作品より、「モデュロール」「ミュージシャン」など代表作品を中心に約25点を展覧致します。